忍者ブログ
[05.20/]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

テイトの家はオレの家から、思ったほど遠くなかった。地下鉄を乗り継いだが、環状線を自転車で走れば30分といったところか。
オレの近所同様、昔の面影が消えつつある町並みは、古い家と近代的なマンションが混在している。
テイトの後ろを付いて歩くこと10分。マンションとマンションの間の路地に入るといきなり鳥居が現れた。
参道には既に出店屋台が並んで、客足も上々。これは、夕方は沢山の人で賑わうのだろう。
「オレんちはこっち」
テイトはオレの手を引くと神社の境内をぐるっと回った。
「神社に住んでんのか?」
オレの問いかけにテイトは笑って「違うよ」と答えた。
「近道なんだ」
神社の裏の木戸から敷地を出ると、これまた細い小道に古い家が数件軒を連ねていた。
「オレんちはあっち」
そう言ってテイトは手前から二軒目の家を指差した。
昭和というかレトロというか。
オレも今のマンションに住む前は普通の一軒家(洋館)に住んでいたけど、こういう昭和レトロな家を見るとわくわくする。
いや、舞い上がってる場合じゃなかった。
初めてテイトの家族と会うのだ。
最初が肝心!
第一印象で待遇が違うからな。
テイトが「ただいま~」と、言って木戸を開けると(まだ、玄関ではない。門である)、ガラッと隣の家の二階の窓ガラスが空いて、同世代と思われる少年が顔を出した。
「テイト!」
「ミカゲ!」
「お帰り~」
「ただいま~」
「ちょっと待ってろ! 今、降りてくから。おじさんならカペラ連れて出かけてるぞ。客が来るってんで、商店街に買い物にいってる」
テイトがミカゲと呼んだ少年は捲くし立てるようにそれだけ言うと顔をひっこめ、おそらく階段を下りてる音だろう、ドタドタドタっと音を立てて玄関から飛び出して来た(隣の家の)。
「久しぶり~! オマエちっとも帰ってこねぇから、淋しかったぜ」
「オレも~! 元気だったかミカゲ!?」
「……!!!!」
突然、目の前で繰り広げられたテイトとミカゲと呼ばれた少年の抱擁にオレは呆然と立ちすくんだ。


つづく

※お祭りに行くまでが長いなwww
たまにはミカゲも出してあげないとね。
というわけで、まだまだ、続きます。


※前回のSSにコメントありがとうございました。
ごまさま、放置プレイでごめんねさい(汗)。
やっぱりモバイルからだと打ちにくくて、結局PC立ち上げた時しか更新しないという…
なんとも、非効率…
まだまだ、続きますが放置プレイ控え目に頑張りますv


PR
<<  >>
< 2024/05 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  >

忍者ブログ  [PR]