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[05.09/]
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「フラウ、下手糞だな…」
そう言ってテイトがオレの手からポイを奪うと、一匹の色鮮やかな金魚をするっと掬って椀に入れた。
「オマエいつから?……っつうか、上手いな金魚すくい」
「まあね」
「ミカゲは?」
「別の友達に連れてかれた」
「オマエは行かなくていいのか?」
「なんで? オレはフラウと祭りに来たかったんだけど」
そんな……嬉しいけど……ずっと、オレを放ったらかしだったじゃねぇか!
オレの内心を察してかテイトは「ごめん」と呟いた。
「別に怒ってねぇし」
「うん……フラウ、行こ」
テイトは立ち上がるとオレの手を引いた。
「カペラも行くよ」
オレ達は3人並んで屋台見物を再開した。
カペラの手には2匹の金魚が入った袋がぶら下がっている。
掬った金魚は全て貰えるのかと思ったがそうではないらしい。
「浴衣…」
「ん?」
「その浴衣、似合ってるね」
テイトは自分で言って照れているのか俯いた。
「あ、これ、オマエの親父のだろ? 悪かったな…なんか思い出の品に袖通しちまって」
「別に…着てくれた方が嬉しい。フラウ、似合ってるし」
「そうか? 金髪に浴衣なんていかにも着せられてますって感じで、みっともなくないか?」
テイトは首を横に振った。
「ちゃんと着こなしてるよ」
「はは、サンキュ、テイトも…それ、似合ってるぜ」
テイトとカペラは二人して甚平を着ている。
二人とも小学生みたいで可愛らしい。
「ったく、叔父きのヤツ、こんなん引っ張り出してきやがって」
テイトは甚平を着たくなかったようだが、カペラに押し切られ、仕方なく袖を通した。
「涼しそうでいいじゃないか」
「そうだけど…」
「来年はこの浴衣が着れる様になるさ…」
「なるかな…?」
「……」
オレとテイトは顔を見合わせた。
この身長差を一年で縮められるとは思えない。
「ま、無理だろな」
「……」



つづく


※ミカフラ対決は回避されましたwww
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